民生器RETISSAシリーズのレーザ網膜投影技術をご体験いただいた方に、そのご感想を伺うインタビューシリーズ。今回は、わかさ生活のショップでRETISSA Display Ⅱ +RD2CAMを2週間レンタルした後にご購入下さった大学院生の荒金様に、当社の「RETISSAマエストロ」中村がお話を伺いました。
「RETISSAマエストロ」中村: お忙しい中ありがとうございます。今はどんなことをしておられますか?
荒金様: 資源エネルギー学会の予稿を書いたり、DC1(学術振興会研究員の申請書)を書いたりしています。
中村: 早速ですが、眼の状態について聞かせて下さい。
荒金様: 先天性の弱視です。視野は正常で、色覚異常や眼球振盪はありません。生まれたときから斜視がありました。見た目でわかる程度でしたが、家族は気づかず、小学校入学時に斜視による弱視と診断されました。眼科で視力向上の訓練のしかたを教わり、アイパッチと遠視用の眼鏡を使って訓練した結果、右眼の視力は1.0まで向上しました。今は、大学院に入って眼を酷使したせいか、少し視力が下がったように感じていますが、眼鏡をかければ1.0まで見えます。
左眼は調節性の内斜視で遠視性、乱視性、斜視弱視と診断されています。斜視の治療も受けましたが、完治はしませんでした。低学年の頃から、自分で意識して目が寄らないようにしていましたが、親からはよく、『変顔をしないで』と言われましたので、無理な表情になっていたのだと思います。左眼も右眼と同様に遠視の眼鏡で矯正して、アイパッチ訓練を継続して斜視を矯正してきました。左眼視力は裸眼で、0.2から0.3です。一番大きなランドルト環(視標0.1)が全部繋がっているように見えます。小学校低学年で習うような簡単な文字は読めますが、眼鏡をかけても複雑な漢字は判別できません。
中村: RD2+RD2CAM をお使いいただいた経緯をお話しください。
荒金様: わかさ生活レンタルで2週間レンタルしたのが最初です。申し込んでから半年待ちでした。レンタル中は(見ている方の)右眼をアイパッチで隠して、左目にRD2+RD2CAMをかけて一日に約7時間使いました。段々慣れてきて、左眼だけで学内を歩くことも可能になりました。これまで見えなかった漢検2級程度の細かな文字まで読めました。
課題となったのはかけ具合で、鼻が痛くなってしまうことでしたが、中村さんのWEBでのアドバイスで改善できました。アドバイスの内容はノーズパッドの幅を広げることと、テンプル(眼鏡のつる)の幅を狭くすることでした。課題が解決できたので、わかさ生活のインターネット販売で購入しました。
中村: ありがとうございます。ノーズパッドとテンプルは今後も適宜調整なさってください。かけるときにテンプルを拡げ気味にして、眼を突くことがないようにご注意ください。
荒金様: 自分の部屋に好きな絵をかけてあるのですが、今までは左眼で見ると背景も人物もぼやけていました。RD2+RD2CAMをかけて、絵を見ながら少しづつ調整していって、完全に見えた時、とても感動しました。泣きはしませんでしたが「この絵ってこんなに綺麗だったんだ…」としばらく座ったまま見ていました。最初にこれをかけた日は、左眼が見えることに興奮して、深夜1時まで眠れませんでした。
中村: ご購入後はどのようなことにRD2+RD2CAMを使っていますか?
荒金様: 大学では、学術論文や書籍を読むときや、食堂を利用するときに使っています。右眼をアイパッチで覆って左目にRD2+RD2CAMをかけています。右眼も使わないと見えなくなってしまう心配があるので、大学にいるときは1,2時間ごとにRD2+RD2CAMをかけたり外したりしています。大学の友達からは「サイボーグみたいでかっこいい」と言われています。
家にいるときは、RD2+RD2CAMをかけて両眼視の練習をしています。だいぶ慣れてきて立体感も感じるようになってきました。昨日は試しに、右眼は裸眼で左眼にRD2+RD2CAMをかけて、文字の小さい高校の物理の教科書を読んでみました。数式の階乗を見分けるのに少し時間がかかるくらいで、拡大しなくても細かな数式までスムーズに読めました。
文字を書くときにも使えます。これまでも、右眼が見えなくなった時の備えとして、左眼だけで見ながら字を書く訓練はしていましたが、右眼で書くときよりも乱れた文字になります。RD2+RD2CAMを使うと左眼でもしっかりした文字が書けます。少しズームするとより見やすいです。
中村: ご要望やご質問がありましたら聞かせて下さい。
荒金様: 私は右眼に度付きのレンズを装着して、左眼に網膜投影装置をつけて使いたいので、そういうことができるフレームを次の開発時には作って欲しいと思います。
ツイッターでRETISSA DisplayⅢの開発が進んでいるとつぶやいている人がいましたが、もう製品化されるのですか。
中村: RETISSA DisplayⅢは、網膜投影用のやや出っ張った自由曲面レンズを、フラットな形状にした「フラットミラー」というものを採用しますので、普通の眼鏡により近くなります。発売は2年後を目指しています。
ツイッターで検索してくださってありがとうございます。QDレーザの公式サイトにも製品の情報や体験談のブログがありますので、参考になさってください。お問い合わせいただければより詳しい情報もお届けできます。
本日はありがとうございました。
*このインタビューは2022年3月24日と5月16日に行いました。
*個人の感想です。見え方には個人差があります。
*わかさ生活レンタルの待ち時間は、現在改善されてきております。
レンタルご要望の際は、直接以下リンクよりお問合せ下さい。
https://shop.wakasa.jp/products/retissa-display-ii
*RETISSA DISPLAYⅡ+RD2CAMは医療機器ではありません。特定の疾患の治療や補助・視覚補正を意図するものではありません。
「RETISSAマエストロ」中村について
視覚情報デバイス事業部所属。2014年にQDレーザがRETISSAを開発し始めたときに、前職の株式会社三城(元メガネのパリミキ)から転職。眼鏡と視覚についての豊富な知識と、わかりやすい説明、優しい語り口調で、多くのお客様の信頼を得てきました。「RETISSA マエストロ」という称号は社内での愛称です。