RETISSAシリーズ(民生機器)(以下RETISSAと略す)の網膜投影技術をご体験いただいた方に、その感想を伺うインタビューシリーズ。今回は、今年9月に大学を卒業したばかりの川端様にLKSと試作品LOG(レーザオペラグラス)(仮称)をお試しいただき、お話を伺いました。
―自己紹介をお願いします。
今年9月に大学を卒業し、来年春から社会人になります川端宏樹と申します。現在は職業訓練校でパソコンを習いながら、休日は都内のロービジョンフットサルチーム「Grande Tokyo」のメンバーとして活動しています。
―眼の状態を教えてください。
先天性白内障で、両眼の矯正視力の和が0.01以下です。見え方は例えばテレビの画面は、大きいと眼で追うのが大変で小さい方が見やすいので、12か14インチのテレビを約20~30cm先に置いて見ています。
―お使いの補助具はありますか。
眼鏡は、以前は使用していましたが現在は矯正不能のため使用していません。ですが時々、度無しのブルーライトカットのメガネを使うことはあります。家では卓上型ブラウン管タイプの拡大読書器を使用して文字を読んでいます。外出する際には単眼鏡も使っています。
―視野角60度のLKSをお試しいただきました。
白黒反転動画で人が走っている動画を見たのですが、ルパン三世みたいでした。凄かったです。「結構見える!俺視力が上がった!」と思いました。文字も白黒反転の方が見やすく16ポイントの文字まで見えました。各行の両端は見えにくいですが、行の真ん中は比較的しっかり見ることができました。手で持ちながら調節できるので、使いやすかったです。
―LOGをお試しいただきました。ズームもできますので、ご自身で拡大するなどして使ってみてください
先輩の顔がよく見えました。また、窓の外のビル群が見えたのが衝撃的でした。遠くの景色をこのように見ることができてとても感動しました。色もはっきりわかるので、これを日常生活で使えたらいいなと思いました。自分は眼球振盪があるのですが、投影される画像は途切れることなく見えていました。
―LOGを、どんなことに使いたいと思いますか
野球の試合を普通に観戦してみたいです。以前観戦したときは、同時にラジオのライブ中継を聞いたり、一緒に行った友人に解説してもらったりしないと何が起こっているのかわかりませんでした。周りが「ワー」ってなっていても一緒に喜べないのです。でも、これを使えば試合の様子が、リアルタイムで自分の目で確かめられます。
美術館にも行ってみたいです。今室内の絵が見えていますので、美術館で展示されている絵も鑑賞できると思います。
日ごろから単眼鏡やスマホのカメラを使って、遠くのものも近くのものも見ているので、ハンズフリーでないLOGやRETISSA Handyを使って片手が塞がることは、自分にとってはあまり苦ではありません。
―ありがとうございました。
*このインタビューは2020年10月23日に行いました。
*個人の感想です。見え方には個人差があります。
*LKS(レーザカレイドスコープ)、LOG(レーザオペラグラス)は開発中の名称です。
*RETISSA LKS、LOGおよびRETISSA Handyは医療機器ではありません。特定の疾患の治療や補助、視力補正を意図するものではありません。
*網膜投影技術の詳しい仕組みはこちら